リタイアメントプラニングの具体的な方法と手順

リタイアメント

リタイアメントプラニングを実施する具体的な方法と手順をシェアします。
あくまでも私自身が行っているものをお伝えするものです。それぞれの皆さんの実際の状況に合わせてカスタマイズをお願いします。

リタイアメントプラニングのためのツール

リタイアメントプラニングの精度は、将来的にフルリタイアがかなう夢かどうかを判断するための計算が正確にできるかどうかにかかっています。
きちんとした計算ができないプラニングは希望にすぎません。希望がすべてかなわないのと同じく、希望の段階にとどまるリタイアメントプラニングはすべてはかないません。自分の希望がどれくらい難しいのか、それをはっきりと認識したうえで、どうしても実現したいものであるのならば、どのようなアクションが必要か、きちんと整理して理解把握することが、ここからの人生のクオリティを左右します。
きちんとした計算をするためのツールとして私が推薦するのはFP協会のキャッシュフロー計算書です。
次のリンクからダウンロードしてください。無料です。
https://www.jafp.or.jp/know/fp/sheet/

決めるべきこと

これまでの人生で成功された方に共通の特徴は私は「決めることができる」ということだと思います。
もう少しいえば「決めたことを何が何でもやる」ことを実践されてきた人だと思います。
このいずれもができる人はまれです。まれだから、そうであれば成功できます。成功したからこそ、充実したフルリタイアメントがかなうことになります。

フルリタイアメントを考えるのにあたって決めるべきことがいくつかあります。

① フルリタイアした前後で生活水準を落とさない
まず第一は、フルリタイアした後の「普通の毎日」をどう送るかということです。
言葉を換えると、フルリタイアした後の年々の生活費の水準をどう設定するか、ということになります。
私のサジェスチョンは、フルリタイアした前後で生活の水準を変えないことです。
支出水準を上げるほうはいつでもできることですが、支出水準を下げるのでは、フルリタイアした意味が問われます。少なくともスタートは、特に経常支出は、フルリタイア前の水準を引き継ぐべきです。
フルリタイア前の水準を引き継ぐ以上、フルリタイアする前の水準を具体的に知っている必要があります。私はリタイアメントプラニングをされている方であれば、当然、家計簿はつけておられるであろうと想像します。もし万が一つけておられないなら今日から記録されることを強くお勧めします。データが整ってからでないと正確なプラニングはできません。
生活の水準を変えないとは、FP協会のキャッシュフロー表で言うと「基本生活費」の水準をリタイア前後で変えないことになります。
食費、通信費、被服費、交際費、交通費、新聞購読料などなど多くのものを含みますが、FP協会がわざわざキャッシュフロー表で外だししている住居費、車両費、教育費、保険料は除外します。FP協会のキャッシュフロー表は収入を税抜きの手取り額としていますが、リタイアメントプラニングを考える上では私は収入はグロスとして、公的年金の保険料や税金は支出の側に別項目として計上すべきと思っています。また、重要な項目として、「お小遣い」を別枠計上しなければなりません。いちいち、家族の了解を取らなければならないようでは不自由でしょう。フルリタイアメントしたと、言えないと思います。一方で、無制限にお小遣いを使っていいはずもありません。

② 裁量的支出を決める
キャッシュフロー表を作ったときに決めなければならない次に大事なことは、裁量的な支出を決めることです。住居費、車両費、教育費、保険料は裁量的支出ではありません。仮に、季節的支出と呼んでおきたいと思います。次の③で議論します。
裁量的支出の主要項目はお小遣い、娯楽費・旅行費です。
こづかいは自分のお小遣いとパートナーがいるのであればパートナーの分も考える必要があります。フルリタイアメントすると、自分の地位を維持するための必要経費としての自由裁量の支出(わかりやすい例が飲み会のおごり)は大きく減るはずと思います。それを見込んで、身の丈にあった支出を設定する必要があります。年収2000万円と500万円ではおのずと使うことができるお金、使うべきお金は変わります。自分が自由にできるお小遣いはフルリタイアの後は激減せざるを得ません。少しつまらなく思うかもしれませんが、仕方ありません。我慢しましょう。それが自分の時間を取り戻す出発点です。
娯楽費・旅行費は重要な裁量的支出です。子供が独立したのなら、夫婦二人、半年に一回二三日旅行に出かけたと考えましょう。少し贅沢をして二人で一回20万円使ったとしましょう。盆暮れに子供が実家に帰ってきてくれてみんなでおいしいものを食べに行ったとしましょう。そんなところが思いつく娯楽費・旅行費の使い道です(それ以外に思うところがあれば自分のお小遣いで処理することになるでしょう)。年50万円。そんなところが夫婦二人では妥当かなと思います。
ただしこの予算ではもっとお金がかかる海外旅行は対応できません。しっかりしたプランが必要な海外旅行は別途枠を取って対応すべきです。別途枠を取って対応すべきことこそ、私が言うところのフルリタイア後の夢になります。夢の実現は、別途フィナンシャルとしての手当てが必要です。リタイアメントの時期そのものとトレードオフとなりますから、リタイアメント計画の前提にはなりません。

③ 季節的支出の決定
住居費、車両費、教育費、保険料を季節的な支出と呼びます
これらの支出は必要な支出ではあります(したがって裁量的な支出ではありません)が、置かれた環境によって変化します。
例えば住居費。私のように借家住まいのリタイアリーは、子供が独立したのなら、広い部屋に住む必要はなくなります。アクティブに暮らさないのならば、最小限のスペースに住むことも当然検討課題になります。住居費はそれを見込んで金額を設定します。ご自宅を所有されている方はローンがあるのなら返済額を計上すべきでしょうし、管理費や修繕積立金、固定資産税や個別の修理費用なども過不足ない水準で見込んでおくべきでしょう。
車両費は、減価償却の考えからすれば均等に費用負担することもあり得ますが、実際は現金が出ていくことを思うと、家計管理的には現金主義の立場を取るのが安全です。わかりやすく言えば車は買う時の現金支出として取り扱うことになります。車は高いです。いつ、どんな車を買うのかはしっかり考えて計画に盛り込むべきでしょう。
教育費は、子供が独立したのなら不要になります。還暦を迎え子供が自力で生活を始めるとこれまで家計を圧迫してきた教育費用と子供のお小遣いがなくなります。細かく言えば食費なども減ります。小さくありません。それ故に、きちんと数字を見込むべきです。
保険料は高すぎるのが普通です。常時どんな保険に入っているかをみなおして過不足のない状態にすべきです。特に還暦を過ぎてフルリタイアしてしまっては生命保険の意味はもはやないでしょう。いち度保険証券を引っ張り出して、どんな保険があるのか見て、割り切った取捨選択をすべきです。その上で、最低限度必要と判断した保険料を計上します。
その上で、私の場合は、公的年金の保険料や税金を季節的な支出として追加計上します。
この理由はリタイアメントの前後で比較的大きな公的年金や税金の変動があるためです。別稿でお知らせしましたが、賃金が激減してもいいので働き続けることと、半年次の仕事を探すのでは後者は圧倒的に不利です。人生の転機ごとに今まで思ってみなかった税金の負担の変化が現れます。この部分は性格に把握する必要があります。ご自身ではわかりにくければFPや税理士に聞くのも有益だと思います。

④ 運用資産の取り扱い
(追加記載をお待ちください)


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