本日の日本経済新聞の一面に日本の女性の「生涯無子」率は27%という記事が載っていました。
調査はOECDが行ったものとのことで、他国と比較して突出して高いとの内容です。
比率が高い理由としては適切な結婚相手が見つからないことが大きいと分析しています。子供はいらないと考えている女性の割合は全体の5%とのことですから、結果的に22%の女性が望んでいながら子供を産むことなく一生を終えていくこととなります。この割合は今後さらに増えるとのことです。
ちなみに男子の生涯無子率はさらに高いと見られています。
私はこのブログでは、主として夫婦に子供がいる(いた)家庭が家族としてフルリタイアすることをメインにいろんな考えをお伝えしていることですが、果たしてこういった家族が多数を占めているとは言えないのではないかとも思います。
配偶者がいる、さらに子供がいるとなると、リタイアメント設計の変数が増え、指数関数的に将来の見通しがむつかしくなるのは何度かこのブログで申し上げたところです。
逆の言い方をすれば、変数が少なければ自分の将来は比較的予想しやすい、計画しやすいともいえます。
もし、ある夢(子供をもうけること)を追い続けることが相対的に大きな不確定性を抱えることとなるなか、その夢をあきらめる(生涯独身、あるいは結婚しても子供は生まない)ことで満足度は下がるがほぼ確実な未来が手に入ることがオプションだったらどうでしょうか。
私は、多数とは言いませんが、少なくない人が後者を選ぶことになるように感じます。
ある年齢になれば結婚するのが当たり前、というような世の中は何十年も前になくなったように思います。ただ、なくなる前の世の中の常識には上記のオプションは基本的にはありませんでした。終身雇用が当たり前で、新卒で入った会社を辞めることがオプションではなかった時代を私は経験しましたが、それと同じようにとらえられていたと思いだします。
オプションはなければだれも迷いませんが、オプションができた瞬間に「悩み」は始まります。
そしてその結論が生涯無子率の高さということであれば、それは時代の流れの中で自然なことだと思います。
日本経済新聞の記事に、男女雇用機会均等法の施行と生涯無子を関連付けた記載がありましたが、まさにこの法律が施行となった頃がこの常識感の転換点だったように私も思います。
もしこの生涯無子率が高い状態が問題だと政治が考えるのならば、上記の二つのオプションの間のリスク差を縮める施策が必要と思います。
やるやらないは政治の決断の問題となるでしょうが、きわめてむつかしいだろうと思います。
日本の少子化は今現在ストップをかけるのは難しいでしょう。
このブログでも、生涯独身であったり、パートナーと同居するにしても経済的には独立されているような生き方を選択される方にも役立つような情報の提供を心掛けていきたいと思っています。
ざっくりとしたところでは、子供の存在を将来的なフィナンシャルプラニングから外すと、フルリタイアの時期を前倒しにすることが容易になるように思います。せんだってブログに書かせていただいたように、子供がいる場合は子供が独立してくれることが確実となるまでは正直フルリタイアすることは難しいのが実際と思います。その要因がなければ、40代でもリタイアができるかもしれません。
(2023年1月12日)
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