今回は分散投資について私の考えを述べてみたいと思います。
私は投資は基本的に株のインデックスに長期的に置くのが一番妥当と考えています。
ただ、株式市場はそれなりのボラティリティがあり、短期的にも長期的にも価格は上下します。投資が順調であれば気になりませんが、アゲンストだと弱気になったり、場合によっては投資そのものをやめたりしかねません(損切り)。株価が安くなっているのは株式を売る理由にはなりません。むしろ買うべき理由です。
そんな時、心の支えになるのが、別の投資カテゴリーの存在です。
私は株式のほかに持つべき資産は「金」「米ドル」だと考えていて、そのようにしています。
今回は「金」について少し考察してみたいと思います。
金は利息を生みません。したがって高金利下では嫌われる資産となります。
一方で金利が低いときは、まさに今回がそうでしたが、インフレヘッジとして極めて有効なパフォーマンスを示してくれます。
金の価値に対する人類の信頼は数千年にわたり不変です。今この世の中に生を受けている人が生きている間に金の本質的な価値が変わることはあり得ません。
資産の三分の一くらいは金に投資するのが私はいいと思います。
金が投資対象としてたった一つ持っている欠点は現物の金の売買は総合課税だということです。特に売買が短期間(5年未満)の場合、お金持ちの方が金の売買で利益を上げると高い税率で利益に課税されます。1グラム1500円で買った金を8500円で売ると売却益は7000円となり、売却価格の8割以上が利益となります。その利益に対して限界税率50%で課税される(現在の所得税の最高税率は45%、これに住民税が10%)わけですから、売却対価の4割が税金で持っていかれます。なお5年以上となると長期譲渡所得となりますから、1/2課税となるため、金融商品の課税割合(20%税率)とさほどは違わなくなります。
このことを思うと、金現物は富裕層の方の短期的なインフレヘッジには向いていないと思っています。金を買う場合には少なくとも5年の保有は前提とされるべきでしょう。
金もETFがありますから、こちらに投資をするのなら分離課税で2割となります。ただこの場合は、見た目と全く異なるずっしりした金の実物に触れることはできません。金が人を魅了してきたのはその輝きや質感よるところは大きいと思います。真の意味で大混乱になった場合、どこかにあるETFが役立ってくれることはないでしょう。手数料率は高いですが手軽な大きさの金コインなどは万が一のときには多いに働いてくれることと思います。
もし短期的な現物の金の売却で大きく利益が出る場合は、ほかの損失がある総合課税との損益通算ができるタイミングを狙うなり、セミリタイアして収入が落ちた時など何らかの工夫を考えてみる必要はあろうと思います。
現在の金の値段は、1グラム当たり8500円程度でした。
金1グラムは2000年には約1000円でした。8.5倍です。複利で計算して11%余りの利回りでした。
今の金価格はコロナのときにグローバルにばらまかれた資金を反映しているものと思っています。
私はこの余剰資金は回収されないとみています。やってしまうと経済が持たないと考えられるからです。つまり、この8.5倍のある程度の部分は固定化されたと見ます。ただ、それを織り込んでも今の金価格はあからさまに高いと思います。
これから金投資を始めようとされる方には、したがってドルコスト平均法で買っていかれるのがベストだと思います。定額の金積み立てがその方法ですね。田中貴金属の純金積み立てなどを利用されるのが良いと思います。
また、逆に金を古くからお持ちなかたがいらっしゃれば一定程度の売却のタイミングとみています。
相対的に価格が高い金から相対的に価格が低い株式に移すのが今の戦略だと私には見えます。
分散投資としての「金」

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