米国小売売上減速は、資産価格への追い風

資産運用
期待外れに終わった2022年のブラックフライデーは価格上昇への消費者の反乱?

アメリカの11月の小売売上高が発表となりましたが、結果は市場期待の水準に届かず、株式市場は景気減速懸念から下落しました。

今回の数値は、物価の高騰が続く米国で、消費者が購入を控えるという形でそれに反応しているという意味で非常に示唆的なものだと思います。
FRBは一方で金利を引き上げ、景気を減速させようと躍起となっており、住宅市場などではその影響が大きく表れているとされています。金利敏感なセクターだけでなく、一般物品の消費行動に広く物価高の影響が表れてきたのは大きな変化とみるべきように感じます。

12月ともなればクリスマスセールが真っ盛りとなりますが、ブラックフライデーやサイバーマンデーを含む期待の期間に売り上げが伸びなかったことを受け、売り手が値段を下げて販売してくるのではないかという予想が成り立つようになりました。
実際の数字は12月の消費者物価指数などで確認できることとなろうと思います。

そして同じことはやがて日本にも表れるのではないかと私は予想します。
ここのところ区切りごとに値上げ、値上げのラッシュとなっていますが、そのことは遠からず消費の思いもよらない減速につながるのではないかと想像します。
そして日本、アメリカともその示唆するところはインフレの鎮静化です。
すでにお示ししている通り、インプット段階の商品価格は落ち着きを見せています。やがてその流れが下流にも及ぶだろうとみますが、そのしっかりした兆候を感じるところです。

インフレの落ち着きが鮮明となれば、資産価格は安定を取り戻すことになると思います。
その際、戦争が続く国防のようなセクターがアウトパフォームするのか、それともテック株式が盛り返すのか、それは私にはわかりません。ただ、資産価格が本来あるべき成長パスに安定的に戻っていく時期が近付きつつあると思います。
であれば、まだインフレ懸念や戦争懸念、コロナ懸念などから売られている株式を買うのはあまりタイミングを遅らせるべきではない、ということになります。

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