私は60歳を目前に転職することになりました。
転職をするにあたって、当座のことでいろいろ調べているうちに行き当たったのが医療保険料のことでした。
私が所属していた某健康保険組合は、退職後任意継続ができますが、その際の基準となる報酬は、退職時のものとされています。つまり任意継続すると保険料が単純に二倍になります。
次の表を見てください。

月収100万円だと健康保険料は折半前は11万8千円ほどです。12か月分は141万円になります。
もともとは半分の70万円余り。任意継続することで医療保険料は年額70万円増えます。
ところが、私が属していた健康保険がもし協会けんぽだったとすると、任意継続は「平均的な標準報酬」で計算することになります。

最高月額34350円です。年41万円になりますが、これは、私が所属していた某健康保険組合の任意継続の料金と比べるとあまりにも大きく、正直不公平ではないかと思わざるを得ません。
退職後しばらくゆっくりして仕事を探す、ということになるとしばらくブランクができます。
あるいはリタイアの仕方によっては健康保険の被保険者にならない働き方を選んでも結果は同じです。
医療保険は必ず入らなければなりませんから、辞めたら、選択は任意継続するか、国民健康保険に切り替えるかです。そうなった場合思わぬ保険料負担の急増のリスクがある、ということをお伝えしたいです。
国民健康保険に切り替えたらどうなるかというと、例えば練馬区の場合均等割りを除いて、前年の総所得金額に対して11.87%が課されます。月収100万円、年収1200万円のサラリーマンとすると、給与所得控除は195万円の上限で固定ですから、総所得金額はほかがなければ1000万円くらいになります。それの12%ですから120万円が国民健康保険に切り替えた時の保険料額です。任意継続よりは安いですが、それでも前年の所得を引っ張っるため、かなりの高額になります。
ところが、もし、フルタイムの安い給料の職業に就いたとしましょう。
それこそ月収30万円で、健康保険の被保険者になれるのならば、とたんに保険料は安くなります。しかも折半ですから、月額の保険料は1.7万円程度、年額でも20万円です。
給与が下がることを考えるとこの落差は非常に大きなものになります。
健康保険の任意継続は、所属されている保険組合の規約をよく確認する必要があると思います。法改正で被保険者の平均としなくてよくなり、財政健全のためもあってか、流れとして高いままの報酬月額での任意継続に向かっているとみています。
国民健康保険への切り替えも、元の給与が高いと一年目はかえって保険料が大きく上がることになるだろうと思います。セミリタイアして、ないしは完全リタイアして所得が下がっているのに保険料が跳ね上がることが予想されます。要注意です。二年目からは所得が低くなりますから、妥当な水準へ保険料は下がると思いますが、それでも折半負担にはならないので、料率は高くなります。
辞められる前の給与が高い方は、ぜひ、ペンと電卓をとって計算されることを勧めます。
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