フルリタイアの実現のためには、それに必要なだけの蓄財が必要です。
どれくらい蓄財が必要でしょうか。
必要な金額はリタイアメントの時期や、リタイア後の生活、運用資産の利回り設定によって大きく異なってきます。
まず、わかりやすい例を挙げてみます。
一般的にゆとりある老後を夫婦が過ごすための必要な消費が年額450万円と言われています。
持ち家で家賃を払う必要がなければ同額の収入があれば生活は安定します。
奥様が専業主婦であった場合の夫婦の年金(老齢基礎年金、老齢厚生年金)を年300万円と見れば、その差額は150万円となります。これを年利3.97%の利回りの運用で補うためには、4000万円程度の金融資産が必要と計算されます。プラス生活の凸凹への対応のために若干の現金を手元に置けば、ざっくり5000万円がこのケースのフルリタイアの必要資金となります。
実際にどのようなリタイアをされるかで、この金額が変わってくるのは明瞭です。
例えば、自宅でなく借家を選ばれた方であれば、これにプラスすること年間の家賃を載せなくてはなりません。200万円家賃がかかるならば、同じ計算で運用資産は9000万円近くとなります。かなりの金額ですが、それが現実でしょう。
そのほか、企業年金があればそれを加えたり、また、どうしても成し遂げたい夢でお金がかかるものがあればそれを組み込んで計算をすれば、おおよそですがリタイア時点で必要な資産額が見えると思います。
もう一つ、リタイアメントを計画する中で重要なのがリタイアの時期です。
年金の支払いが開始する年まで働くと決めているのであれば大きな問題はありませんが、そうでない場合はリタイアしてから年金の支給が始まるまでのギャップが意外に大きな障害です。この間は未収入です。しかも若くて時間も余るわけですから、お金は相当な速度で出ていきます。例えば年収1000万円の方が年金支給前にリタイアされたら即1000万円毎年キャッシュ不足となります。リタイア時に5000万円運用資産があったとしても元本を取り崩してしまっては、上記の議論が成り立ちません。
年金の支給開始前のアーリーリタイアメントの達成のためには、ある程度正確で現実的な計画の立案が必要です。その計画を見れば、アーリーリタイア達成のため、どれくらいの努力をしどれくらいの節約をする必要があるか、明確になってくると思います。
自分なりのシナリオを作って、自分の将来を見える形にスプレッドシートへ落して、必要な貯蓄額を確認しておくことは、リタイアに向けて絶対的に必要なこととなります。
スプレッドシートはFP協会のものがいいと思います。私の場合、このうちのキャッシュフロー表を35年先まで伸ばして使っています。
フルリタイアに必要な貯蓄額はどれくらいか。

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